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ISO 14001:2026 – 改訂概要と移行ガイダンス

ISO14001の改訂概要をお知らせします。

2026年第1四半期頃に予定されているISO14001の改訂は、現在ISO内の技術委員会(TC207)を通じて進められており、現在は国際規格案(DIS)の段階となっています。改訂版は、気候変動対応、生物多様性、持続可能な資源利用など、世界的に高まる優先課題を反映しています。また、既存の要求事項を明確化し、強化することを目的としています。

改訂動向を注視し、移行準備を開始することにより、スムーズに移行することができます。ISO技術委員会の主要メンバーとして、SGSは移行対応をサポートします。

ISO 14001:2026とは?

ISO 14001:2026は、ISO 14001規格の次期改訂版です。附属書SLに基づく構造を維持しつつ、新たな用語、要求事項の明確化、そして環境パフォーマンスの強化が導入されています。

ISO 14001移行スケジュール


フェーズ マイルストーン
現行規格 ISO 14001:2015
国際規格案(DIS) 2025年6月に発行済み
最終国際規格案(FDIS) 2025年末~2026年初めに発行される見込み
新版の国際規格の発行 2026年3月頃に発行される見込み
新版への移行期限 2年間もしくは3年間と予測されるが、未定

各フェーズの時期については、変動する可能性があります。

ISO 14001:2026 – 予想される変更点
2026年改訂版には、中程度ながら影響力のある変更が含まれています。まったく新しい要件は導入されていませんが、多くの要求事項が明確化され、トレーサビリティ、説明責任の強化のために変更されています。
  • 環境状態(例:気候変動、汚染、生物多様性)を明示的に考慮する必要がある。
  • 環境マネジメントシステムの範囲は、ライフサイクルの視点を考慮しなければならない。
  • 環境マネジメントシステムの適用範囲は、文書化した情報として利害関係者が入手可能でなければならない。

対策:組織の状況分析、ステークホルダーマップ、提供範囲を見直す。

  • 環境方針で、順守義務を「満たす」ことへのコミットメントについて、”fulfil compliance obligation”が”meet compliance obligation”に置き換えられた。
  • 天然資源の保護や生態系の保護についての考慮が強化された。

対策:環境方針を改訂し、経営陣の関与を確実にする。

  • 6.3項 (新設):環境マネジメントシステム関連の変更管理に対する体系的なアプローチが要求された。
  • 緊急事態が、非通常の状況の運用から分離された。
  • 計画は、以下の通り分割された。
    • 6.1.4:リスクと機会
    • 6.1.5:取組みの計画策定

対策:リスク、環境側面・影響評価、計画文書などを見直す。

  • 関連記録は、「文書化した情報を利用可能な状態にしなければならない」と統一された。
  • 力量で、順守義務を「満たす」ことへのコミットメントについて、”fulfil compliance obligation”が”meet compliance obligation”に置き換えられた。

対策:コミュニケーションやトレーニングのプロセスを見直す。

  • 「外部委託したプロセス」は、「外部から提供されるプロセス、製品またはサービス」に変更となった。
  • 運用管理は、サプライヤーや外部委託先にまで拡大されなければならない。
  • 緊急事態への対応計画は、リスク計画と整合させなければならない(6.1.2項)。

対策:サプライヤー管理や緊急事態対応計画を強化する。

  • 環境パフォーマンスと環境マネジメントシステムの有効性を評価することについて、明示的に要求されている。
  • 内部監査では、範囲と基準に加え、目的を明確にしなければならない。
  • マネジメントレビューは、プロセス、インプット、結果の3つのサブ項目に再構成された。

対策:内部監査及びマネジメントレビューのプロセスを見直す。

  • 10.1項は削除され、その内容は10.2項および10.3項に統合された。
  • 不適合と是正処置に対するより体系的なアプローチが求められている。
  • 9項の所見と継続的改善の関連性が明確にされた。

対策:根本原因の分析と改善状況の追跡を強化する。

ISO 14001移行チェックリスト

ISO 14001:2026への移行について、以下のチェックリストを確認しましょう。

  • DISとのギャップを分析する。
  • 環境マネジメントシステム関連の文書を見直す。
  • 改訂内容について、関係者を教育する。
  • 新設された6.3項について、検討する。
  • サプライヤー管理やライフサイクル管理を強化する。
  • FDIS及びISの正式発行時期をモニタリングする。

ISO 14001:2026が重要な理由

改訂された規格に準拠することにより、以下のような取組みにつながります。
  • 持続可能な開発
  • 気候変動への対応
  • 環境に関する説明責任
  • ステークホルダーの信頼性の向上

これらの変更を実施することにより、サステナビリティやESGパフォーマンスにおけるリーダーとしての役割を担うことができます。

SGSのISO 14001移行サポートサービス

EMSの深い専門知識を持つグローバル認証機関として、以下のサービスを提供します。
  • ギャップ分析と準備状況の確認審査
  • ISO 14001:2026移行のための研修
  • ライフサイクル、生物多様性、気候変動リスクに関するガイダンス
  • ISO 14001:2026正式発行後の移行審査
  • ISO 9001、ISO 45001などの統合マネジメントシステム(IMS)に関するサポート

ISO 14001:2026への移行については、お問い合わせフォームよりお問い合わせください 。


免責事項

本ページに掲載されている情報は、ISO 14001:2026 国際規格案(DIS)および予想される移行要件に関する一般的なガイダンスを提供することを目的としています。SGSは内容の正確性と関連性を確保するよう努めていますが、最終的な要件は、最終国際規格案(FDIS)の公表またはISO 14001:2026の正式発行後に変更される可能性があります。

最新情報については、SGSにお問い合わせください。

お問い合わせ

  • SGS Headquarters - Food Enquiries